不動産用語集
あ行
空き家・空き地バンク・空き家バンク
空き家・空き地の物件情報が登録され、検索できる情報システム。地方自治体が運営していることが多い。空き家・空き地バンクは、不動産需給のミスマッチの解消、不動産の有効活用の促進などに資すると考えられている。しかしながら、バンクごとに掲載項目が異なること、検索や比較がしづらいなどの課題があるため、空き家・空き地バンクの標準化や統合したシステムの構築が検討されている
一般媒介契約
一般媒介契約とは、次の(1)及び(2)の特徴をもつ媒介契約のことである。(1)依頼者(すなわち売主などのこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。(2)依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則自由である。
移転登記
不動産登記の1つで、所有権移転登記を指す。不動産の売買取引において不動産の所有権が売主から買主に移転したことを公示するための登記。他に、表示登記、保存登記、設定登記および処分制限の登記がある。移転登記は、附従性を持つ地役権等を除き、登記できるすべての権利についてなされる。
内金
内金とは、売買契約が成立した後に、売買代金の一部として買主から売主へ交付される金銭のこと。手付が売買契約が成立する際に交付されるのに対して、内金は契約成立後に交付されるという違いがある。また、手付は契約の義務が履行されれば代金に充当されるのに対して、内金は交付される時点ですでに代金の一部である。
か行
管理費/共益費
共益費:ビル管理(清掃、補修、警備等)に要する諸費用、共用部分に関する付加使用、テナント、又は区分所有者ごとに分別することの難しい付加使用料(例、全館冷暖房費用)などを年間で積上計算し、専有面積あたりの月割り等でテナント又は区分所有者ごとに賦課される費用をいう。ビルの構造(省エネビル、共用部分の多少等)、規模、管理形態(機械警備方式、24時間管理)などにより差が生じることになる。共益費を市場相場で賦課する考え方もあるため、この場合は賃料との区分が少なくなり、共益費を実質賃料に含める考え方も生ずる。
区分所有権
分譲マンションのように独立した各部分から構成されている建物を「区分所有建物」という。
軽量鉄骨
軽量鉄骨は厚さが6mm以下の鋼材で、重量鉄骨と同様に熱間圧延加工により製造される場合もあるが、多くは鋼板を冷間圧延加工して製造される。主としてブレース構造に利用される。軽量鉄骨には、断面の形状等により多数の種類がある。最もよく使用されるのは、断面の形状がアルファベットの「C」に似たもの(「リップ溝形鋼」)である。
原状回復義務
契約期間の満了に伴う賃借人からの解約の申し入れ等によって、建物賃貸借契約が終了したとき、建物賃貸借契約は将来に向かって消滅する(民法第620条)が、賃借人は当該建物を賃貸借契約の開始時の状態に戻す義務を負う(民法第545条・第546条)。
更新料
借地借家契約の更新に伴って、賃借人から賃貸人に対して支払われる金銭をいう。借地権または借家権が期間満了によって消滅しても、賃貸人に正当の事由が無ければ契約の更新の拒絶、土地又は建物の返還を求められないため、賃貸人の要求により、更新料が支払われることが多い。問題は、特段の合意がない場合でも賃貸人にその請求権があるかであり、これを肯定する説もないではないが、判例(最判昭51.10.1)は、商慣習ないし、事実たる慣習として更新料の請求権があるという賃貸人の主張を認めず、通説も同様に解している。
なお、更新料の支払いにつき合意があり、それが賃料の支払と同様に更新後の賃貸借契約の重要な要素として組み込まれ、契約当事者の信頼関係を維持する基盤をなしている場合にはその不払は、その基盤を失わせる著しい背信行為として賃貸借契約の解除原因となり得るとする判例(最判昭59.4.20)もある。
さ行
敷金
建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。
な行
24時間換気システム
給気又は排気を、常時、機械によって行なう仕組み。新築住宅を建築する場合に設置が義務付けられている。
機械によって吸気・排気する換気効果が高い方法(第1種換気、難点は運転のためのコストが高いこと)、機械で吸気し自然に排気するクリーンルームなどで採用されている方法(第2種換気、難点は結露などの恐れがあること)、自然に吸気し機械で排気する住宅に多く使われている方法(第3種換気、難点は部屋ごとに吸気口を設置しなければならないこと)がある。
は行
PS
上下水道管(さらにはガス湯沸器など)を収納したスペースのこと。住戸の外部(玄関脇など)に設置されているのが一般的である。このパイプスペースの中に電気・ガス・水道のメーターを納めているときは、「MBPS」と表示されることがある。なお、このPSやMBPSは、住戸の外部にあるときは住戸の使用面積(専有面積、賃貸面積)には一般的に算入されない。
ま行
前家賃(前払家賃)
建物の賃貸契約の際に支払う翌月分の家賃。ほとんどの家賃は月払いであるが、契約時には、契約月の家賃を日割り計算して支払い、さらに、前家賃として翌月分の家賃を加えて支払うことが多い。なお、家賃が発生する日付は、契約日とする場合が多いが、入居日からとする場合もある。
や行
家賃保証会社
賃貸住宅の賃借人が負う家賃支払債務について、連帯して保証する会社。家賃保証会社の連帯保証責任は賃借人との保証委託契約によって成立する。委託契約の締結に当たっては、家賃保証会社が賃借人の家賃支払能力等について審査するのが通例である。契約が成立すれば、賃借人は保証料を支払い、家賃保証会社は、賃借人が家賃支払債務に関して不履行が生じた場合に賃借人に代わって代位弁済する。この場合、代位弁済した家賃保証会社は賃借人に対する求償権を得ることとなる。家賃保証は、従来、連帯保証人によることが多かったが、保証人に予期しない負担を負わせる可能性があること、保証人を依頼することが難しいことなどから、それに代わって、家賃保証を業務とする営業(保証ビジネス)が広まった。家賃保証会社は、賃貸人の債務負担能力の審査、代位弁済した家賃の求償などを担うことから、健全な業務運営を確保し、賃借人の利益を保護する必要がある。そこで、国土交通省は、家賃保証会社が登録するしくみ(家賃債務保証業者登録制度)を創設した(2017年10月)。この制度によって、登録した家賃保証会社は、保証業務の実施に当たって、契約前の重要な事項に関する説明・書面交付、賃借人毎の弁済履歴を記録した帳簿の備付け、受領した家賃等についての自己の財産との分別管理、暴力団員等への求償権の譲渡等の禁止などのルールを遵守しなければならないとされている。
ら行
礼金
建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。
わ行
分かれ
不動産業界で使われる用語の意味としては、不動産取引(主として売買)の媒介報酬を配分すること、あるいはその際のルールをいう。一つの取引に対する媒介報酬は、売り手と買い手が支払う報酬の総額であるが、複数の宅地建物取引業者が取引に関与した場合には、その配分を決めなければならない。配分についての決まったルールはないが、取引に当たっての貢献度に応じて配分されるのが通例である。例えば、売り手・買い手が異なる業者に取引の媒介を依頼して成約すれば、一般的には、それぞれの依頼者が支払う報酬をそれぞれの業者がそのまま受け取るという「分かれ」となる。